食材について
目の前は海、振り返れば山。
恵まれた自然を
まるごと取り込む。
丹後の魚介
日本海に面する丹後地方は、餌が豊富で荒波にもまれるため、脂がのり身の締まった魚介が育ちます。ぐじ、鰤、鳥貝をはじめ20種の「丹後・旬のさかな」に指定された魚介をはじめ200種以上が集まり、定置網漁、底引網漁、一本釣りなどさまざまな漁法で水揚げされています。また、漁場と港が近いため、とれたてピチピチの魚介がすぐさま競りにかけられ、おいしくて鮮度抜群の魚が届けられるのです。
丹後のお米
丹後地方は京都府内きっての米作地です。海岸沿いに見える棚田は日本人の心を癒やしてくれ、弥栄町には稲穂が風にそよぐ田がどこまでも広がっています。山や谷が多くて清水が豊富、昼夜の温度差が大きく盆地特有の濃霧が発生する立地条件は、コシヒカリの生育にぴったり。さらに土づくりから収穫まで、生産者の栽培にかける探究心と努力が相まって良質な米が育つのです。丹後コシヒカリは、財団法人日本穀物検定協会が実施する「米の食味ランキング」の最高評価「特A」を通算13回獲得しており、これは西日本一の記録です。
丹後の野菜
国営農地開発事業が造成した肥沃な農地で野菜・果樹・茶・飼料作物などを栽培し、品種改良や種の存続のために採種などが行われています。なかでも野菜は、個性的で味の濃い伝統野菜をはじめ新たに研究開発された新京野菜などを手がけ、京のブランド産品の普及浸透を担っています。米と同じく、清らかな水と昼夜の寒暖差という丹後の気候風土に人々の技と努力が重なり、四季折々においしい野菜が収穫されています。
丹後の加工品
いにしえより、人々は微生物の働きを利用してさまざまな食品や調味料を醸し、造ってきました。この技が現代にも受け継がれています。丹後地方にも醤油、味噌、酢などの発酵調味料を手がける蔵がいくつもあります。また、これらの原料となる米麹、米糠に豊富な野菜を漬けた漬物、水揚げされた鯖や鰯を漬け込んだ「へしこ」も名物です。もちろん美酒を醸す、日本酒やワインの蔵元もたくさんあります。丹後地方は、発酵による加工品の宝庫でもあるのです。